生活の布

家事をしていると、家じゅう布だらけだとよく思う。そしてその多くはぶら下がっている。

雑巾、布巾、台拭き、ハンドタオル、鍋敷き、鍋つかみ...ぱっと見渡すだけでもこれだけある。部屋干しなんかしたらもう大変な布祭りである。

布は乾燥した状態が好ましいので、大体が目に見えるところでぶら下げられている。雑巾はそのうち捨てられるし、布巾や台拭き、ハンドタオルなんかは短期間で交換される。

しかし下手したら10年以上ぶら下がりっぱなしで、お客さんが来るからと言ってそう簡単に取り換えることも出来ない、寸法も桁違いの布がある。カーテンである。この布だけは真剣に考えた方が良いに決まっている。

布は生活感そのもので、生活感は隠さなくてはならないものとされている。(と思う。)そうするとカーテンは隠し切れない生活感だ。そして生活感こそ私は見たかったりする。友人のお宅にお邪魔して、ピカピカに片付いていて、雑多なものが何もなかったりすると「綺麗だね~」と感心しつつ、少し残念に思ったりしている。隠し切れない生活感、カーテンをデザインしたらあの友人宅の印象はどう変わるだろうか。ひとり想像してワクワクするのです。


最新記事

すべて表示

カーテンの魅力について考える

ファブリック担当として、カーテンの他にも家具の張地、ロールスクリーン、カーペットに加え、まれにバッグなどのプロダクトも扱う。インテリア全体を布で覆ってしまうというプロジェクトも時々ある。どれも奥深く面白いが、個人的にはやはりカーテンが群を抜いていると感じている。前回は弱点について考えたが、勿論魅力も多い。このサイトのStoryに載せた、「カーテン/境界」というのがそれを私なりに集約した表現なのだが

カーテンの弱点について考える

次々に襲ってきた天災により、今でも日本のあちこちで多くの人が避難生活を送っていると聞く。 我が家も小さな子供がいるため、しっかり備えなければと思っている。 避難所で建築家の坂茂氏がセルフビルドのパーティションを提供していることは一般的にもよく知られていると思うが、こういったニュースを見るたび、建築家は非常時もとても頼もしいな、とその職能を羨ましく思う。私は建築家ではないけれど、一応そういった業界に

© 2020 talking about curtains / miki sato